2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『あまちゃん』 ラストは『テルマーとルイーズ』

2013年10月11日 あんまり頭のよくない人たちのためにあらかじめ言っておきますが、 わたしは、以下の文章で、アキとユイが死んだとは一言も言っていません。さらに言うと、『テルマ&ルイーズ』って二人ともまだ死んでいないんですよ。だって、死ぬところ映…

『あまちゃん』 どちらかというと飛び込んでほしかった

『あまちゃん』がおもしろいのですっかり忘れていましたが、 朝の連ドラって、主人公を女の人にしないといけないという縛りがありました、そういえば。 『あまちゃん』って『ピンポン』の男の子二人を女の子二人に置き換えたのが根本プロットのように思える…

『あまちゃん』  もうすぐ終わってしまう

一週間前から録りだめしていた『あまちゃん』を見始めたばっかりなのに、この喪失感。 今日で小泉今日子の出番終了ですか。そういえば一昨日で、蟹江敬三の出番終了でした。薬師丸ひろ子も古田新太も尾美としのりももう終了っぽい。もしかすると、宮本信子も…

『あまちゃん』 トンネルの中は交差点

『ピンポン』と『あまちゃん』はどう似ているのか?どう違うのかということを、朝はやくから考えたりするのですが、 ユイちゃん視点でトンネルを見ると、こうなります。 物語の中にトンネルは複数ありますが、トンネルを一つの象徴としてとらえると、 物語上…

『あまちゃん』 東日本大震災

あまちゃんの東日本大震災の回をさっき見ました。今までずっととりだめていて、数日前から見ていたのですが、 宮藤官九郎によると 「フィクションとはいえ震災を“無いこと”にするのは違うんじゃないか」 という思いと同時に 「直接的に描くのはやっぱり抵抗…

『あまちゃん』 この星の一等賞になりたいんです、アイドルで

一度気づいてしまうと、『ピンポン』と『あまちゃん』とことん似ているのがよくわかります。『ピンポン』松本大洋原作 宮藤官九郎脚本により映画化されました。 「またひとり、飛べない鳥が逃げてった」の台詞から 『ピンポン』の「飛べねえ鳥もいるってこっ…

岡本かの子作『鮨』   『BUNGO〜ささやかな欲望〜』

「お寿司に嫉妬はできないもの」 わたくし、映画の最後のこの台詞に対して思うところありまして、例によって橋本愛のぼそぼそした喋り方で、こういうことを言われるので、何言ってるのか意味が分からなかったんですけど、二回見て、それからしばらく考えてい…

『桐島、部活やめるってよ』

絵画もそうなのかもしれませんが、特に映画は、 人物たちの心を、その画面の中の背景で表現します。主人公の気持ちがブルーなら、画面を青い色が目立つ発色にしてしまう、というのが一番わかりやすいでしょうか。それから、画面を見ているとき、人の注意が行…

『BUNGO〜ささやかな欲望〜見つめられる淑女たち』

以前は、谷村美月の出演作品は細かくチェックしていたのですが、最近あまり真面目に見てません。谷村美月の画像をグーグルで検索したら、自分がこのブログに張り付けた画像が何枚も出てくるのですが、 彼女って、映画の中で死ぬか縛られるかの確率が8割です…

『BUNGO〜ささやかな欲望〜告白する紳士たち』  人をもてなすということ  それと橋本愛の演技

第二話 『握った手』『リンダリンダリンダ』の山下監督の作品で、主演が成海璃子、 実は見る前の期待値が一番高かったのですが、「文学って、言ってることわけわかんなくて、そのくせ偉そうで、かっこつけてて、ムカムカしてくる」という文学に対する偏見を…

おら、変な映画見ちまっただ    橋本愛篇

『あまちゃん』みてると、薬師丸ひろ子も小泉今日子も、アイドルやってた人って、みんなそれなりに変なんですが、橋本愛主演の『アバター』、変な映画でした。アバター [DVD]出版社/メーカー: GPミュージアム発売日: 2011/09/16メディア: DVD クリック: 20回…

『風立ちぬ』 『桐島、部活やめるってよ』   花も紅葉もなかりけり   

なかなか最低な曲ですが、BGMにどうぞ。 30年以上前の『未来少年コナン』ですが、見直してると、のちの作品につながるものがわらわらと湧いてくるのですが、『風立ちぬ』 この場面、4分の予告編からの画像ですが、予告編見て、これが結核の治療法の一つとい…

超絶美少女ゆえの問題  橋本愛

『桐島、部活やめるってよ』のおかげで、橋本愛が気になってしょうがなくなり、 『Another』見てたんですが、ひどいもんです。映画における退屈さについて小論文一つ書けそうな作品でした。まあ、それでも見てしまうんですよね。映画としてはあまりにしょう…

『桐島、部活やめるってよ』 橋本愛がどのように機能しているか、について。

日本映画の歴代トップテンにはいっても不思議のない傑作。 神木隆之介 橋本愛 東出昌大 大後寿々花の四人がメインの役者であるとして、神木隆之介 − 大後寿々花 がコインの裏表であるとして、 それでは 橋本愛 − 東出昌大は コインの裏表であるのかというこ…

『桐島、部活やめるってよ』  

群像劇は主人公が絞れないだけに、「何言ってんのこの映画?」という風になりやすいです。登場人物、みんな高校生で同じ服着ているというだけでだれがだれかを判別しにくいのですが、 それぞれが別のものを目指しているのですし、その目的の相違により、別々…

『未来少年コナン』  ギガントのデザインについて

『未来少年コナン』の中の ギガントですが、トトロのデザインとほとんど同じです。 わたしたちは、『風立ちぬ』を見るまでは、以前の宮崎駿作品のテーマをあまり深く考えることはなかったのではないでしょうか?自然と科学文明の二元論的対立 その程度のこと…

無題

思うところがあって、ブログの題名を少々変えました。このブログ、もともと、『映画の見方 主に谷村美月』というかなり痛々しいものでした。 その痛々しさというのは、私が谷村美月の映画ばかり見ていたという痛々しさに由来するのですが、その結果、このブ…

『ピクニック』  サブリミナルって嘘だったんだよね

サブリミナル洗脳、つまり、映画のコマの中に知覚できない秒数 (3000分の一とか) で 「コカ・コーラ飲め、この馬鹿野郎!」とか表示された画面を挿入すると、その命令を真に受けるというのが、サブリミナル広告 なんですが、 このブログ中で、「サブリミナ…

『風立ちぬ』  ちゃんと風の方向見てました?

このブログ、画面の左右の方向について語る映画レビューが主体なんですが、このブログ内で持ち上げられている監督は、リドリースコット スピルバーグ 黒澤明 そして宮崎駿でして、全員が国家レベルの桂冠監督どもばかりだというあたりから、私の人間性の保守…

『風立ちぬ』  なんで関東大震災?

閉じた物語と開かれた物語に二分できると仮定しましょう。 閉じた物語とは、物語の中で論理的整合性が高く、その物語の完成度が高くて作品本体のみで自立しているという意味です。開かれた物語とは、物語の中に論理的整合性が低く、背景となる出来事を加味し…

『風立ちぬ』  誰も死なない映画ゆえ

蓮見重彦が 映画を見る際の「動体視力」ということを言ってまして、 わたしの解釈では、それはどういう意味かというと、映画は一期一会的にみられるものであり、 その一期一会を想定して、撮影し、画面を編集しているわけで、 その想定された一期一会に向け…