『ピンポン』と『あまちゃん』はどう似ているのか?どう違うのかということを、朝はやくから考えたりするのですが、
ユイちゃん視点でトンネルを見ると、こうなります。
物語の中にトンネルは複数ありますが、トンネルを一つの象徴としてとらえると、
物語上、重要なイメージとして、何度も繰り返し放送されたシーン。
これがトンネルの入り口。
地震で北電が止まった中間地点。
(このシーンで終わるのか?美しすぎる。
複数の監督が演出するために、統一的な絵コンテがあるはずもなく、さらにはご都合主義的にシナリオが書き換えられていく連続ドラマで、最終回をここまで決めるとは、このドラマは、やはりすごい)
『ピンポン』とはどこが違うのかということですが、
二人のキャラが、アホキャラと虚無キャラという分かりやすいパターンではなく、
どちらも基本的にアホキャラなんですが、
『ピンポン』の台詞「この星の一等賞になりたいんです、卓球で」って、単純な一方向への成長です。
トンネルの前で「アイドルになりた~い!」と叫ぶ情熱は、このドラマでも肯定されていますけれど、
(叫んだあとの、上気したすがすがしい笑顔、橋本愛はこのシーンの撮影から役に入り込めるようになったそうです)
その情熱のまま、突っ走ってゴールに行きつくことは、肯定されていません。
別の出口を探すことが肯定されているようです。
それは、地震によって、日本人が今後今までと同じでいることができないということを暗に示しているようです。
地産地消、スローライフ、ロハス、地震の前からそういうことは言われていましたけれど、
アイドルさえ、そのようになるべし、そういうことなのでしょうか。
トンネルの暗闇の中にあったはずの分岐点、それは、大震災のことのようです
『ピンポン』と何が違うのかというと、原作が15年前、映画が11年前ですが、
あのころは、今と比べて、何かとまだぬるい日本社会でした。
そして何より、地震がまだなかったんですよね。