『シンドラーのリスト』 母親が娘に「下を向いていなさい」という台詞を知っていますか?

ーーーーー映画を絶賛する でもファンを傷つけることを全く躊躇しない そういう観点を持ち込んたうえで私が書きそうな『シンドラーのリスト』の批評を書くことができますか? できます。では、その観点で書きます。あなたが書くならこうなるだろう、という調…

『2001年宇宙の旅』 スターチャイルドは 希望ではなく、警告として立っている。 それがこの映画が、まだ終わっていない理由です

時々『2001年宇宙の旅』について考えます。昨今のAIの普及と性能向上ぶりから、今最も切実なテーマの映画と思います。しかしどうしても普通の方法でこの映画を語ることができなくなってしまったのです。おそらく以下のようなやり方でしかもうこの映画を…

『ロッキー』 

ーーーーーー以下の文を読んでください。では。 映画というのは、人物を画面の左右のサイドに割り振り、それらを互いに争わせる性質を持っています。 それがもっとも顕著に現れるのが戦争映画ですが、ボクシングというのは、個人間の戦争ともいえるもので、…

『キッド』 チャップリンが声高に語らなかった地獄

以下の内容を読まれるのでしたら、こちら(映画の抱えるお約束事)もどうぞ。当ブログの理論についてまとめてあります。 手塚治虫が、漫画の描き方をチャップリンのサイレント映画から習ったということをどこかで読んだんですが、 チャップリンについて、今…

『突撃』 兵士が戦場を離れる瞬間 「見えるものには見えてしまう構造」をあばく話

はてブロを解約するかどうか?という事を考えているのですが、その前にこのブログは「実は価値があるのではないか?」「再利用できるのではないか?」「小金稼ぎになるのではないか?」とAIとに相談しているのですが、その際に自分の文章をいくつかAIに読ん…

『E.T.』 百人の砦で映画という人工物の構造を孤独に眺める

十年くらいこのブログは放置していました。そもそも私は映画をほとんど見ることをしていません。で、ふとある時、はてなブログの有料会員を解約しようと思い立ちAIに相談してみました。 そしてその際にどんな内容で、再利用の価値はあるのか?とAIさんに言わ…

『聲の形』

いろいろ考えさせられる映画でした。そしてすこぶる面白い素材を抱えた作品でした。 まず考えたこと、というか、ずっと今まで考えていたこと、 映画一本二時間って、物語を語る形式としてはそこまで絶対的なものなんだろうかということです。 単なる興行上の…

ウルトラシリーズの視聴率について想う

伝説の子供番組の視聴率をウィキべディアで調べますと、いろいろ興味深いことに気が付きます。 月光仮面 発売日: 2017/01/20 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る テレビ版の月光仮面は、1958年。 鞍馬天狗みたいな時代劇作りたかったけど予算…

『ウルトラQ』 

言いたいことは山ほどあるのに、言いたい相手がどこにもいない。 そんなんからブログなんか書いてみるんですが、 書いたところでどうなるもんでもなし、 かといって、 誰にも言わないままだと、自分が言いたかったことを忘れてしまい、 かりそめの平穏状態と…

『オデッセイ』

オデッセイ(字幕版) 発売日: 2016/04/22 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログ (6件) を見る DVD借りてきて、プロジェクターで見ました。 夜中に見ました。 半分くらい見たところで、眠くなり寝ました。 そのつづきを見てません。全然続きが気にもな…

『アイアムアヒーロー』

一気読みしました。なぜか三巻から読み始め、ラストに至ると一巻と二巻を読んで、 アイアムアヒーロー(14) (ビッグコミックス) 作者: 花沢健吾 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/06/30 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る その…

『エイリアン:コヴェナント』

なんか重要なことがわかった気がする。 ここ数年間、「もう映画は終わりなんじゃないか」と思い続けてきたんですが、 むかしって、八十年代とか七十年代って、映画をみんなでお茶の間でテレビで見てました。 民放五社がそれぞれ夜の九時から映画を放送し、ど…

『この世界の片隅に』

能年玲奈は、ただものではないなぁと改めて思った。 自分は萌え絵も萌え声もまるで気に入ず、痛々しい絵で飾られた電車がいたるところに増えていく様を見て、「日本はキモオタに乗っ取られた」的に思っているのですが、 それゆえに、この手のアニメは好感度…

『IT』

そういやあ、こないだ久方ぶりに映画館で映画見ました。 ブレードランナーの続編とスティーブンキング原作の『IT』のどちらを見ようか迷った末、右手と左手でじゃんけんして、左手が勝ちましたので『IT』の方を見ました。 わたしどっちを選ぶか困ったとき右…

『伊豆の踊子』

今年あと残り二か月。 わたくし、こんなブログをものしておりながら、映画館に今年も行かずじまいとなりそうです。 まあ、映画館に行かないのは何も私に限ったことでなく、 日本人の七割の人たちだそうで。 そして、いつの年のグラフか分かんなくなってしま…

キングコング

シンゴジラ、君の名は と見て、 映画というかコンテンツ産業って劣化進行中なんだ もしくは、 自分にとってなじめない何かに変質しつつあるんだ、 いや、たぶん、その両方が同時進行中なんだ という気がしたのですが、 キングコングはどうだったのかというと…

君の名は

もう十日くらい前でしょうか。DVDレンタルして、家のプロジェクターで見ました。 まあまあ面白かったのですが、 なんか見てて居心地悪さも感じました。 たぶん、自分が、この映画の見る観客として想定されていない外側の人扱いだからなのでしょうか。 シンゴ…

シン・ゴジラ

始めの三分の一くらいは、東日本大震災に関するあるある状態。 「へー、震災時の内閣ってこうなってたんだ」的な興味ですな。 おもしろいです。 ゴジラが玉川突破したあたりで、もうどうでもよくなったというか、 核兵器がどうたらという話になったあたりで …

さっきの話の続き

人は絵画に見入るとき、静止画像的な絵を脳内で妄想動画に発展変形させている可能性がある、 ということをさっき書きました。 近代絵画ですと、人間の目の機能に沿ったものが多いです。 つまり、焦点を合わせる事で焦点の外側がぼやけてしまう。 それによっ…

絵を見るとはどういうことなのだろう?

展覧会で絵に見入っている人の頭の中はどのように活動しているのか? と考えるに、 一つの参考として、 ムソルグスキーの『展覧会の絵』から『卵の殻をつけたひな鳥の踊り』 www.youtube.com ムソルグスキーはこの絵を見て、この曲を作ったといわれています…

『ロックオペラ・トミー』

文章を朗読するときに、その状況設定や人物設定を理解する必要がある、 数ページ読んで、それら設定が当初自分の思っていたものとずれていた場合には、戻って訂正して読み直さなくてはいけない、 そういう話を『花もて語れ』を読んで、なるほどと思ったので…

『トレイン・スポッティング』   You're going to reap just what you sow.

ブリティッシュ・フィルム・インスティチュート(BFI)選出の100本のイギリス映画の内、ランキング10位の名作。 そのトップ20を見ると、古典的名作ばかりなのですが、ぽつんとこれ一本だけ現代劇があるといった趣。 とはいえ、この映画もすでに二十年も前…

『リトルダンサー』  挿入歌について考える

この映画にたくさんT‐REXの曲が使われています。 そのリーダーだったマーク・ボランは、最近死去したデヴィッド・ボウイとはグラムロックの二大巨頭であり、下積み時代からの親しい間柄でした。 こちらは、マーク・ボランが死ぬ直前に収録された歌番組。 Mar…

『クリスティーネ・F』   ヒーローズが主題歌

前回は1月9日に死んだ人のことを書きました。 今回は1月10日に死んだ人のことを書きます。 このブログの題名に「中二のため」という言葉がありますが、 わたしにとっては、中二病とはデビッド・ボウイのファンであること、という定義が一番しっくりきます。 …

美味しゅうございました  正月気分も抜けました

円谷幸吉という人がいました。東京オリンピックのマラソンの銅メダリストです。 彼は、次のメキシコオリンピックで銅メダル以上の結果を期待されたのですが、けがに悩まされ、「もう走れない」と自ずから死を選ばれました。 市川崑監督作 『東京オリンピック…

マッド・マックスについて物思う   ジョージ・ミラーとスピルバーグ

スピルバーグとかジョージ・ミラーの映画に黒澤からの流用シーンを見つけるのはたやすいのですが、 そういうオマージュは前世代の作品からやるもんだと私たちは、というか少なくとも私は思っていたのですが、 そして、同世代の作品から流用することは、オマ…

ハリウッド大御所監督の年齢について

ジョン・レノンは1940年生まれですから、今生きていたら76歳。 最近の老人は、彼彼女たちの親世代よりも身体的に10歳若いと言われますので、いまの70台は、まだ今後10年20年はぴんぴんしているのでしょう。 平日の昼間に、地区センターでカラオケ…

『マッド・マックス3』  Beyond the Thunder Dome

『北斗の拳』の元ネタがマッド・マックスですが、 『マッド・マックス3 サンダー・ドーム』が公開されたときには、『北斗の拳』が大人気の頃でした。 わたしも当時の観客として、いやがおうにも『マッド・マックス3』を『北斗の拳』と比べてしまい、それゆ…

マッド・マックス新作 『Fury Road』

医学の進歩が神の存在する余地を一掃したと言われますが、 今の小中学生が保険体育の時間に学ぶような知識が神秘のベールの奥に隠れていた時には、 生殖のメカニズムは過度にすごいものだとみなされていたのでしょう、 私たちの世界文化遺産のほとんどは、ち…

マッド・マックス  オマージュについて考える

『マッド・マックス』シリーズの監督ジョージ・ミラーは、黒澤明から映画の文法を学んだことを公言しています。 そして、私も一観客としていい歳になってくると、『マッド・マックス2』の物語が『用心棒』と『七人の侍』を下敷きにしていることがよく分かる…