『あまちゃん』好きなら見ておくべきだったはずの作品群

もし去年の秋にこんなこと書いてたら結構感謝されただろうけれども、

あまちゃん』の後番組の『ごちそうさん』がもうすぐ終わろうとしている今頃、こんなことを書いても誰も感謝しないだろう気はします。

 

しかし、この半年近くで、自分が見た作品群の中から、これらは『あまちゃん』が終わった後にできた心の穴を埋めるには有効だったと言えるものをピックアップするとこのようになります。

 

 

1 『あまちゃん

バカげていますけれども、『あまちゃん』放送が終わっても繰り返し見ましょうよ、という事です。HDDに録画してなかった人もNHKオンデマンドに加入して繰り返し見ましょうよということです。それ以上何がある?という事ですが、

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2 『ちりとてちん

あまちゃん』が『あまちゃん』である理由の中で一番大きいのは、

朝ドラ特有のリズム、つまり1話13分ちょっとで起伏があり、それを一週間まとめて一つの物語単位とし、それを繰り返して話を深めていくというもの。

だからあまロス対策として一番有効だったのは、後番組の『ごちそうさん』みることであり、実際そうしてた人も多いんじゃないでしょうか。

そういうことを考えますと、『あまちゃん』の一番手監督と二番手プロデューサーがかかわっていた『ちりとてちん』は、あまロス対策としては最も効果的な作品だったはずでしょう。

普通の映画が2時間弱、それと比べると40時間の長丁場の『あまちゃん』は作品を通してどのような演出上の工夫がなされているのか?どうやって作品に一貫性を与えているのか?ですが、

ちりとてちん』の井上剛の週をみると、なるほど、と『あまちゃん』に対する認識が深まります。

泣ける泣けないで言いますと、『ちりとてちん』の方が『あまちゃん』より上かもしれません。

ただ、問題なのは、井上剛が監督した週とくらべると、あとの人たちの監督週は劣るような気がします。(この点、『あまちゃん』はよくできています)

NHKオンデマンドでさっさと見るんでしたら、最初の二週間と井上剛週だけ見れば十分堪能できる作品です。

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なんといっても、田舎から都会へ出ていく子供を大漁旗ふって見送るシーンの元ネタ作品です。

 

3 『桐島、部活やめるってよ

あまちゃん』とその他の良質な朝ドラが、数あまたある映画やドラマと違うもう一つの点。 

毎日同じ役者が出てくるので、親しみを感じてしまい、放送終了に耐えられなくなること。

それ考えると、ユイちゃん、ネギ埼玉、若大吉が出ている『桐島、部活やめるってよ』はどうしても見ておくべき作品です。

というか、これだけ役者が重なっているのは、『あまちゃん』側が『桐島、…』を明らかに意識しているからであり、

あまちゃん』一週目の、夏ばっぱがあきを海に突き落とすシーンが、アキとばっぱと春子さんの三人の視点から描かれている、というのも『桐島、…』を意識しているとしか思えません。

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4 能年玲奈橋本愛の映画

あまちゃん』好きなら、『あまちゃん』に出てた役者が出てくる映画とかドラマなら、なんでも楽しめるのか?と言いますと、

吹越満や組合長でんでんの作品追っかけても、そんなに楽しくなれるもんでもありません。

また、年取って、芸歴積んで、いろんな役演じ分けられる人たちの他の作品って、『あまちゃん』をあんまり思い出させてくれはしません。

 

それと比べると、能年&橋本の出演作品は、大体『あまちゃん』と同じ芸風で、

あまちゃん』のスピンオフ見ているような気になれます。

 

『グッモーエヴィアン』 無茶苦茶なことしないけど、基本的にアキと同じ。

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カラスの親指』 今後しばらくこういう役続くんでしょうね的な安定した役柄。

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『Another』 画面映りの良さだけだったら橋本愛の作品で一番。映画としてはかなりひどい。

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アバター』 変な作品が多い橋本愛作品の中で一番唖然とさせられたもの。

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よく見ると、左端に能年玲奈

 

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ガスマスク被っている女の子たちのどれかが能年玲奈

 

5 『ピンポン』

映画の場合、その作品は監督のものと思われるのが普通ですが、

朝ドラのように監督が週代わりになると、一貫して仕事しているのは脚本家という事になり、

あまちゃん』=クドカンの作品、というみられ方が多数派のようです。

 

それはそうなんでしょうが、NHKの場合ですとプロデューサーは組織の中の人間ですから完全に裏方として表に出てきませんが、実質作品支配してるんでしょうね、きっと。

それに、メイン監督の権限も普通に思われているよりずっと強そうです。

 

それでも、脚本の観点から考えるなら、『あまちゃん』の次に見ておくべきだった作品は『ピンポン』だろう、という気がします。

 

能年玲奈も『あまちゃん』の撮影終わった後は、自室で『ピンポン』繰り返し見てたって言ってますし。

あまちゃん』と『ピンポン』、主人公の性別以外の点では、ほとんど同じ作品です。

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6 『ジ、スキヤキ、エクストリーム』

まだDVD化されていませんが、『あまちゃん』の続編を期待する人やスピンオフを期待する人は、これ見て心の準備をしておくべきだと思います。

 

『ピンポン』の主演の窪塚洋介井浦新が11年ぶりに共演した作品で、

直接『ピンポン』とはつながっていません。監督も原作も脚本も全く別の人です。

 

それでも、同じ役者が11年ぶりに共演し、しかも話の内容が旧友の15年ぶりの再会というもの。

 

おそらく、今後『あまちゃん』の続編が作られることはないでしょうが、能年玲奈橋本愛が共演するとか、

小泉今日子と能年か橋本のどちらかが親子の役を演じる作品は必ず出てくるでしょう。

 

そういう作品が、なんとなく『あまちゃん』の続編に見えてしまう、もしくは『あまちゃん』のパラレルワールドに見えてしまう。

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そして作品の方でもそういう見方を否定しない否むしろ肯定するような作り方をしてくる、

そのようなものを見た場合、必ず私たちは『あまちゃん』を見ていた2013年のことを思い出すことになるでしょう。