音楽と似た技法

西村雄一郎氏の本にかかれてあったことですが、

黒沢明 音と映像

黒沢明 音と映像

早坂文雄と意気投合した黒澤は、二人で夜通し語り合い、

映画と一番似ているものは絵画でも演劇でもなく音楽である、という意見の一致にいたったようなのですが、

でもね、マンガも音楽に似通った部分があります。


藤子Fは、二ページを四分割して、四コママンガのように扱うことの多かったマンガ家ですが、


三つ目と四つ目のグループを、バラの花によって、なだらかにつなげているのがわかります。


これは、音楽でいうところの、コードの変わり目において、そのつなぎをスムーズにするために、あえて今のコードから逸脱した次のコードの音を鳴らすテクニックと非常に似通っています。


富野理論の『映像の原則』でもこれに近いことが語られています。
あまりにもはっきりと画面の進行方向を切り替えると、画面の流れのつながりが悪くなるので、ちっちゃい要素を動かすことで、各画面のつなぎにしているそうですが、

今になって思えば、カツレツキッカやハローというのは、上のマンガで言うところのバラの花のように機能していたのだということがわかります。