前回の『マッド・マックス』に続いて、今回は続編『マッド・マックス2』を語ります。
初作のナイトライダーの妄言の中に、ブルース・スプリングスティーンの『明日なき暴走』の歌詞が埋め込まれている、ということですが、
続編でも、やっぱりやっています。
「おい、おまえ、逃げることはできるぞ(走ることはできるぞ)
でも、隠れることはできないぞ」
なんか、よく分かんない台詞ですが、
Everybody's out on the run tonight But there's no place left to hide 『明日なき暴走』からの引用のようです。
そして、言葉としての詞の引用だけでなく、
「太陽の中を歩こう、でもそれまでは、俺たちのようなゴロツキは走る為に生まれてきたんだ」が映像で表現されているのが続編『マッド・マックス2』であります。
彼らが目指す目的地はサンシャイン・コースト。
でも、マックスは単独行動に走ります。
夜明けに太陽の方角➡に走り出しますが、
どこにも行きつかないうちに、ライバルのモヒカンにヒャッハーされてしまいます。
←向きに横転。
赤と青の矢印の意味については、こちらをどうぞ。
『マッド・マックス2』って、前作で家族を失いニヒリズムに陥った主人公が、家族に代わる人間のつながりを得ることで癒されていく物語としての側面は確かにありますが、
このマックスの一人での出発のシーンの方向を見ていますと、そういう単純な教訓だけの映画とも違うようです。
ところで、このヒューマンガス率いる暴走族集団ですが、
貴重な燃料を暴走以外のちゃんとした合理的な目的に使用できているのでしょうか?
それとも前作の暴走族同様に命のきらめきの瞬間を求めてただハイウェイを暴走するために大切なガソリン浪費しているのでしょうか?
それもある意味での『明日なき暴走』なのでしょう。
まあ、フィクションの中の他人事ですからどうでもいいのですけれどもね。
クライマックスのカーチェイス。
マックスのトラックは、➡方向に発進。
その後も基本的に、トラックは➡方向に進みます。だって、サンシャイン・コーストは画面の➡方向にあるはずですから。
いよいよ大詰め。ライバルのモヒカンにじりじりと攻め込まれてきたところで、マックスのトラックはハイウェイ上でターンします。
そして、その先にあるのは真っ赤な太陽。
このターンのおかげで、マックスを猛スピードで追ってきたヒューマンガスのへばりついているトラックの正面に衝突し、敵はほぼ死滅しました。
ついでにマックスのトラックも←向きに横転。
今作でのマックスの太陽への旅はひとまずここでおしまい。
仲間たちのキャラヴァンは太陽の方角に向かいます。