シド・フィールドの脚本術 

 

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

 

 

 

素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2

素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2

 

 1979年に 彼がこの本の初版を出した時、アメリカにはまだ映画の脚本の教科書はなかった、そうです。

 

いわば、その手の本の先駆けであり、

 

大塚英志が参考にしているであろう元ネタです。

ちなみに、全米400の学校で教科書に採択されているそうですが、

 

わたしが、このブログで書いている珍妙な映画の見方に固執する契機になっているのは、これらの脚本や物語の作り方を以前に読んでいたからであり、

 

画面の右なり左の奥に物語の目的が有って、そこに向かって主人公が進めるか進めないかが、映画の表現である、

と私が考えるに至ったのは、

脚本の段階で、それと相似形がすでに考えられているからです。

 

シド・フィールドは、

映画には映画特有の条件があり、

それは、

主人公がその心情をベラベラ喋らず行動で表現する、とか、映画は二時間八分以内で編集されないといけないと契約書に書かれているとか、

そういう諸々の縛りから、

「観客は映画とはこういうもんだ」という先入観を持って映画を見ていますから、

一定の型にハマった表現となる必然性を説きます。

 

そして、映画とは、

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このように構成される、とのこと。

(用語は、わたし流になおしてあります)

 

まず、映画の時間を四つに分ける。

最初の四分の一が 一幕目

次の四分の一の二倍が 二幕目

最後の四分の一が 三幕目

 

最初の四分の一では、人物と状況を説明する

次の二分の一では、主人公がどんな目的に向かって行動するのかが描かれ、その真ん中にターニングポイントが来て、主人公は態度を変える。

最後の四分の一は、スペクタクルを主眼とした物語の解決

 

シド・フィールドは脚本の先生として有名であり、脚本家としては名前がクレジットされるような仕事はほぼしてないんですが、

 

ゴッドファーザー』の脚本に関与していたそうです。

 

そして、わたし、さっき『ゴッドファーザー』を調べてみたのですが、

 2時間55分の映画で ちょうど四分の一の箇所で、ドンコルレーネが撃たれます。

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そして、ちょうど真ん中の一時間28分のところで、マイケルが商売敵と悪徳警官を射殺。

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そして、ちょうど四分の三の2時間10分のところで、マフィア同士でのドラック販売におけるガイドラインの制定と、マイケルのイタリアからの帰国が決まります。

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この映画を監督したとき、コッポラは32歳とかなんですが、

そんな若造が監督した作品にしては、やたらと格調高く感じられてしまうのは、

 

こういう黄金律といいますか、セオリーを完璧に守っているからなんでしょうね。