私が最近見た映画の何本かは、物語りの時代設定がくっきりと数十年前になっています。
物語りに於いてケネディの暗殺とかの歴史的イベントが起こるとかそういうの無いのでしたら、時代設定なんてどうでもいいはずなのですが、
なぜだか最近の私が見たものは、70年代とか80年代に設定されていて、当時の流行音楽がBGMに使われていたりします。
私みたいに2015年に生きていても、40年前50年前のロックばかりを生活のBGMにしているような者にはとっつきやすいのですけれども、
なんかおっさんと爺さんの都合が優先されて、若者ってどこに行っちゃったんだろう?という気がしないでもありません。
『ダーク・シャドウ』にしても、別に現在の物語でも構わなそうなもんですが、70年代前半が舞台となっています。
過去からよみがえった吸血鬼が現代でいろんなギャップに出くわす物語ですが、
そのギャップの一つが、ロックンロールとの出会いなのですが、
最近ってロックってはやらない、というかはやり音楽自体が無くなってしまいました。
そんなだからか、ロックが元気だった時代、そしてアリスクーパーが若かった時代に物語が設定されていたのかもしれません。
アリスクーパーって魔女の名前から付けられたバンド名ってことになってますから、こういう映画では使いやすいのでしょうし、彼のステージメイクだと年齢わかんないですから、還暦過ぎた彼が40年前の設定で登場しても違和感ないです、ハイ。
パロディ映画って、元ネタに準じた形で物語が進展しますので、『ダーク・シャドウ』って見る前からどんなストーリーだかあらかじめわかってることになります。
だからか、見ててもストーリー展開にはたいして関心が持てず、それがこの映画の欠点といえるのかもしれません。
あと、物語り上の運命のヒロインが大して可愛くないってのもストーリーに引き込まれない理由の一つでしょうか。
作りこまれた細部へのこだわりを堪能する映画なのでしょうが、
そういう細部の一つが60~70年代のロックだったりもします。
クロエが食事時にドノヴァンの『魔女の季節』に合わせて踊るシーン。
T-rexの『スライダー』のジャケットがさりげない。
そういえば、アリス・クーパーの登場シーンでもT-rexの『ゲット・イット・オン』が露払い的に流れます。
クロエがとんでもなく運動神経いいのは『キックアス』見た人ならわかってるはずですが、あえてここでは彼女のダンスは画面横切るだけのさりげない使われ方。そんないびつなカメラ映りでも彼女の運動神経の良さは十分わかる。