100均ショップでは、夏休みが終わるとすぐにハロウィーングッズが並べられます。
「ハロウィーンまで二か月もあるのに、いったいどうしよっての?」てな感じです。
スーパーマーケットでは、ハロウィーン装のジャンクフードが店だなに並べられているのですが、
「これ買って10月31日まで二か月間家に保管しておいて、トリックorトリートゆうてくるガキ待ち構えるわけ?」とか疑問に感じたりもします。
まあ、これもどうせ広告代理店が仕掛けた消費扇動の罠なのでしょうが、
どう考えても、スナック菓子ごときを二か月間も家にため込んでハロウィーンに備えるというのは、ありえなさそうなので、
たぶんこういうもの食べながら、ハロウィーンの日までテンション高めていくのでしょう。
10年前くらいは、ハロウィーンをはやらせようとする商売人の目論見に対し
「そんな意味不明なものはやるわけねえだろ」と冷淡に思ったものですが、
ここ数年間どんどんハロウィーンが普及してきました。
まあ、コスプレ好きな人たちを吸収して、
秋のコスプレ例大祭的な盛り上がりに近いのだと思うのですが、
一般のコスプレと違ってアニメの恰好する必要がなく、オタから距離取りたい人たちでも、
「ドラキュラのコスプレって何かいいかも」ってのはあるかもしれません。
ドラキュラで大当たりをとった老俳優、いまではすっかり世間に忘れられた存在で、
ハロウィーンの日に彼の家を訪れる子供をかつての衣装で驚かそうにも今一つ受けが悪い。
『エド・ウッド』は、いつもはファンタジー風の映画ばかり撮っているティム・バートンがリアリズム風で押し通した映画ですが、
まあ、ここに出てくる人たち自体が現実ではなくファンタジーの中で人生を終えたような素っ頓狂なとこがあります。
怪奇映画で名をはせた俳優が晩年はジャンキーとなり、口八丁なだけのバカ監督と一緒に救いがたい作品を何本も残した、
そういう風にまとめてしまえば、悲哀に満ちた転落物語なのですが、
『エド・ウッド』が伝えるのは、そういうものではなく、
老人に対するいたわりとリスペクト、映画という夢物語を紡ごうとする人たちへの愛情に満ちた視線だったりして、とても爽やかな作品になっています。
ティム・バートンの作品で『エド・ウッド』が一番好きという人も大勢います。
史上最低の映画監督などといわれるエド・ウッドですが、本当に最低だったら一本撮っただけで業界から締め出されるはずなのですが、そうならずに何本も撮ったという点から、それなりに魅力ある人らしいのは分かるのですが、
いま、youtubeで彼の作品何本も見ることができますが、
まぁ~、ちゃんと見るのはやはりつらいです。
そんで、ティム・バートンの映画みたからいいやってなるのですが。
テレビで放送されている自分の過去作に合わせて、ドラキュラの指の動きをやって見せる老俳優。
そしてそれを一緒に真似してみる主人公。
ちなみに本物のベラ・ルゴシ
現代の私たちがイメージするドラキュラの姿ってベラ・ルゴシによる創造だそうです。
東欧の貴族のいでたち、オールバック、そしてこの指の演技。
ドラキュラがとっくの昔に死んだゾンビだということを、指の異様な形で示しているのですが、
『ダーク・シャドウ』
最近ティム・バートンが『ドラキュラ』のパロディ映画を作りました。
その中でジョニー・ディップが吸血鬼の役を演じ、この指の動きを再現していました。
演じる人も演じさせる人も、「そういやぁ、二十年前に『エド・ウッド』の中でやりましたね」って思ってたでしょうが、
見てる側もそう思うわけでして、これ見てムフフフとか思えるようになると内輪に受け入れられたようなほの温かい感じがします。