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『ミノタウロスの皿』  アニメとマンガを比べてみた

以下の内容を読まれるのでしたら、こちら(映画の抱えるお約束事)とこちら(映画の抱えるお約束事2 日本ガラパゴス映画)をどうぞ。当ブログの理論についてまとめてあります。







ミノタウロスの皿』がアニメ化されていたので見てみました。

やはり、というか、なんというか、
もし、この1ページ目と2ページ目が見開きになるということが作者の意図したものであったとすると、

21えモンが遭難した云々の件は、あっさりと流して、女の子との出会いを主とするべきなのですわね。
マンガのテイストを映像に持ち込むんだったら、そうすべきだと思います。
それが、なんというか、不必要に、遭難云々のスリルを煽るような映像化作品になっておりまして、

マンガを主と考えるような人、漫画の忠実な映像化を求める人にとっては、その遭難云々について真面目に描写しているのは、作品のテンポを殺しているように感じられるわけです。

映像化を待っているマンガコンテンツはほぼ無尽蔵ですから、あんまり手間かけず、漫画のテイストをそのまま持ち込めるやり方として、youtubeにアップされた、切り貼りの方法、もしくはサイレント映画を参考にした演出方法などは、真面目に、取り扱われるべきなのではないか、スマートフォーンで漫画を読むよりも、あのような形式の方が閲覧は楽だなと思う次第で、

ああいう、映像化をもっと洗練させていけば、それなりの展望があるような気がしました。


また、漫画とアニメを見比べてみると、いろいろなことに気づかさせられます。
アニメは、まあ、映画と同じなんですが、

マンガにはマンガ特有の縛りがあります。そしてマンガをアニメ化するときにもなんとかすべき問題点があります。


映画のスクリーン、テレビの液晶は、どんな場面でも画面の大きさが一定です。
しかし、漫画はそうじゃないんですね。
だから、このように定型画面と異なる横長・縦長の絵は、液晶画面に合わせて作り直さなくてはなりません。
そうすることで、みょーに気の抜けたような画面になってしまいます。


また、漫画というのは、静止画を並べたものですが、アニメにするとそれを動かさなくてはならない。
このコマの絵は、構図的に完成度が高いのですが、しかし、この構図を取り入れた上で画面を動かそうとすると、非常にカット割りが厄介なことになります。
この構図だと、人を動かしづらいのです。
それで、アニメ化した時には、ものすごく単純な構図でこのシーンを描いており、それゆえ、アニメでは気の抜けたようなシーンになっています。






何よりも気になったのがこのシーン。
マンガのフキダシは縦書きで、日本人なら<ーーの方向に読んでいくことになります。だから、このコマのように複数人物のいる場合、セリフを話す順番は向かって右側から左側へという縛りが生じます。
つまり漫画の場合、

常に男の人から先に喋らないといけなくなります。
どうしても構図的に、女の人を向かって右におきたいんだけれど、しゃべるのは男から、
ということはマンガでは許されません。
どうしても、そうしたいのなら、コマを分割する必要が出てきます。

わたし、そんなに熱心な漫画読者ではなかったのですが、今まで、こんなことも分からず漫画読んでいました。ぽこぺん。

アニメにしてしまえば、画面のどこからでも台詞が飛んで来て、相当に違和感を感じます。



この点に関しては、『大予言』のyoutube版を作った人のやり方からわかったことですが、
コマの大きさと形が同質な場合、そのコマの中に描かれる内容も同室性が認められる、ということ。
左側に、地裁コマ三つ並んでいますが、それらの内容は、基本的に同質で、同じ内容三回繰り返しているだけです。

まあ、そんなんですから、小さいコマってのは大した内容書かれていないんですね。サイレント映画的に考えるなら、小さいコマって字幕みたいなもんです。なくてもなんとかなる説明のための箇所みたいなもんです。

大ゴマが大切であって、それさえ読んでいれば、内容はわかる、

この画像の場合、大ゴマ三つです。それさえチェックすれば、まあ、話はわかるわけです。
そう考えると、マンガって、かみ芝居と非常に良く似たものであるなと感づかされます。


アニメと漫画で登場人物の向きをチェックしていくと、アニメって作画に手間暇費用がかかりますから、カット分割して登場人物の向きを頻繁に入れ替えることがどうしても少なくなります。
背景画を同じにしたまま、漫画のコマ5個分くらい話を進めてしまうことがよく行われます。

それゆえ、割に話の進行が単純にされてしまい、
アニメ版では、マンガほど、主人公の立ち位置の難しさが伝わってきません。


これらアニメの劣る点というのは、制作プロセスを考えると仕方の無いことであり、アニメスタッフの力量にできるものではありませんが、
もうちょっと頑張ってくれよ、と私は思う。

もう少し金と時間があったら、漫画版と見劣りのしないアニメが作れたのだろうか?
絶対できると思うんですよね。このアニメ版だったら、youtubeの『大予言』みたいな映像化の方が好ましい。

あ、それと、漫画って、本来白黒なんですから、モノクロで映像化ってできないもんでしょうか。