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黒澤作品のワーストについて考える  第七回 『みんなのシネマレビュー』より

『みんなのシネマレビュー』での黒澤作品の評価ですが、まあこんなもんかなという感じです。

『赤ひげ』が『用心棒』より上ってのがなんか嫌なんですが、私が適当に選んだ『人々の話題になりにくい黒沢作品』と比べると、晩年の作品、とくに『八月の狂詩曲』が目立ちます。

それ以外ですと、『野良犬』の評価が高いのが目立つといったところでしょうか。

 

1954年 七人の侍        8.64点
1962年 椿三十郎        8.28点
1963年 天国と地獄       8.24点
1952年 生きる         8.13点
1965年 赤ひげ         8.08点
1961年 用心棒         8.04点

1975年 デルス・ウザーラ    7.72点
1957年 蜘蛛巣城        7.55点
1949年 野良犬         7.54点
1958年 隠し砦の三悪人     7.48点
1950年 羅生門         7.37点
1960年 悪い奴ほどよく眠る   7.40点
1948年 酔いどれ天使      7.14点


1955年 生きものの記録     6.86点
1970年 どですかでん      6.71点
1985年 乱            6.64点
1943年 姿三四郎        6.40点
1949年 静かなる決闘      6.30点
1957年 どん底         6.24点
1946年 わが青春に悔なし    6.24点
1950年 醜聞         6.20点
1980年 影武者          6.15点
1951年 白痴          6.14点
1993年 まあだだよ        6.11点
1990年 夢            6.08点
1945年 虎の尾を踏む男達     6.06点
1947年 素晴らしき日曜日    6.00点


1945年 續・姿三四郎      5.68点
1944年 一番美しく        5.36点

1991年 八月の狂詩曲      4.46点

 

 

そして、こちらは『みんなのシネマレビュー』でのレビュー数順に並べたもの。黒澤作品で話題になるのはどれでならないのはどれについてのより客観的なデータといえるかもしれません。

 

そして、レビュー書くのって中学二年生でもできますから、ネット上の評価ってあんまり信用できないんですから、むしろこのレビュー数のほうが黒澤作品への評価としては妥当である可能性が高い、私はそう思えます。日本社会全体が黒澤のこの作品は優れている、あの作品は凡作だというオーラを醸し出した結果がこのレビュー数の順位なのでしょう。

今まで散々いろんなところでいろんな人が黒澤作品論じてきましたから、そういうものの蓄積によってささえられているだろう順位のはずです。

黒澤作品のトップ5とかトップ10のアンケートをまじめに行ったら、おそらく、この結果になるのではないでしょうか。

まあ、私の個人的な好みだと、『天国と地獄』は『椿三十郎』よりは上でしょうか、ね。

 

そして私が適当に選んだ『人々の話題になりにくい黒沢作品と比較しますと、

『野良犬』以外は、大体同じですね。

 

あと、『八月の狂詩曲』は酷すぎてレビュー書く気になる人もいないってところでしょうか。

わりに最近の映画ですから、相当多くの人が見ているとは思うんですけどね。

 

1954年  七人の侍     384人
1952年  生きる      209人

1961年   用心棒      198人
1962年  椿三十郎     194人
1963年  天国と地獄    190人
1950年  羅生門      159人
1965年  赤ひげ      112人
1958年  隠し砦の三悪人  111人
1985年  乱         87人
1957年  蜘蛛巣城      80人
1980年  影武者       79人
1949年  野良犬       64人
1960年  悪い奴ほどよく眠る 61人
1990年  夢          61人
1948年  酔いどれ天使    55人
1993年  まあだだよ      52人
1970年  どですかでん    46人
1943年   姿三四郎     45人

1975年  デルス・ウザーラ  33人
1957年  どん底       33人
1955年  生きものの記録   30人

1946年  わが青春に悔なし  29人
1945年  虎の尾を踏む男達  29人
1951年  白痴        27人
1991年  八月の狂詩曲    26人
1950年  醜聞        24人
1949年  静かなる決闘    23人
1944年  一番美しく     22人
1947年  素晴らしき日曜日  19人
1945年  續・姿三四郎    19人

 

得点とレビュー数の二つの順位を勘案しますと、話題になることもない黒澤作品をわざわざ見て、それについてレビュー書くような人は相当黒澤映画好きな人でそれなりに映画見てきた人に決まっていますから、そういう人たちが低い評価与えるってことは、

相当にひどい作品なんだろう、という気がするのですが、

 

 

『続・姿三四郎』『素晴らしき日曜日』『一番美しく』『八月の狂詩曲』のどれかが黒澤作品のワーストである可能性が高い、と思われます。

もうすこし選択肢を広げてみると『白痴』『虎の尾を踏む男たち』にも可能性があるかもしれません。

 

わたくし的には、このブログで『八月の狂詩曲』を取り上げたことがあって、ぼろくそ書いているのですが、でもそれにしたところで、

あの黒澤が、こんなどうしようもない子役演技を許したのか?とか

あの黒澤が、こんな安っぽい花を道端に植えて納得できたのか?とか

あの黒澤って、貧困のなくなった日本社会に原水爆反対以上の問題を見つけることできなかったの?

とか、

所詮、あの黒澤が…と批判に過ぎなかったりします。

八月の狂詩曲』の優れた個所5つ挙げよ、と命令されたら即座に挙げることできるくらい、いい箇所もありますです、はい。

 

そして、カラーで晩年の作品が見やすいというのの反対で、むかしの粗い画像と雑音交じりの作品を比べることって、本当のこと言うと無理じゃないでしょうか?

大昔の映画って、当時の映画の状況を考慮しないと得点のつけようがないと私は思います。

まして、資材物資の欠乏した戦中の映画で、プロパガンダの縛りがある場合はなおさらです。

 

今のところ、私の中では暫定ワースト黒澤作品って『白痴』なんですが、それにしたところで、結構魅力ある作品だったりするんですよね。

 

 

閑話休題

続く