『トムは真夜中の庭で』  

ここしばらく小説と映画の関係についてですが、

映画の場合だと、右向き左向きによってどのキャラクター視点で物語が語られているのか?ということの目安をわたしたちは得ることができるのですが、

では、小説では、そのような目安はどのように得ることができるのでしょう?と考えてみると、



たとえは客観的な叙述の地の文であるとしても、その情報がどのキャラを通して知覚されたものかを丹念にチェックしてみると宜しいのではないでしょうか。


情景描写であるとはしても、その情景はどのような位置に立っている人に見えるのか?どのような人に感じられるのか?

そういうことが映画の構図と大体対応するもののようです。

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))

全部で二十七章の物語で、各章に一枚ずつ挿絵があります。

1958年の小説です。イラストレーターに物語のモデルになった邸宅の写真を見せてかなりリアルさを追求した挿絵だそうです。




イギリスの小説ですから、ページをめくる方向はですから、ポジティブの方向はであり、
映画と同じです。

挿絵の方向と、地の文に見られる「誰の目線」の間には、完全に対応関係が見られます。


岩波から出版されている日本語版では、本のめくる方向は逆になるのですけれど、
挿絵の方向は英語版と同じです。




新しめの小説『怪物はささやく』では、挿絵はすべて左右ひっくり返されています。

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