アメリカの広さと歴史について 『シャイニング』

東海岸への入植者が西部へ開拓民として拡散していったのがアメリカの歴史なのですが、 その西滲もスムーズに進んだというわけではありません。 この緑野地帯は、アメリカ中央部の大草原地帯ですが、 草原ということは、木が茂るほどには植物の繁殖には向いて…

アメリカの歴史について 『オクラホマ!』

アメリカは面積が日本の26倍ありますが、最初からそんなに広かったわけでもなく、 1783年に独立を達成した時の州の数は13。この時だとせいぜい日本の面積の五倍くらいでしょうか。 そのあと、イギリスから五大湖周辺を割譲させます。 ピンク色が正式な州。黄…

アメリカの広さについて 『狼たちの午後』

日本の白地図を渡されてすべての都道府県名と県庁所在地を書き込める人は、実のところ少数派なのではないでしょうか? 日本のことでさえ、実は、自分の家から半径500キロくらいのことしか知らなかったりしますから、 外国のことなんて知らなくて当たり前だと…

アメリカの歴史について 『風と共に去りぬ』

高峰秀子が自伝の中で、太平洋戦争中に、日本軍が東南アジアの映画館で押収した『風と共に去りぬ』の極秘上映会が内内で行われていたことを記しています。 それ見て、「日本はアメリカに絶対勝てない」と観念したそうですが、 Gone with the wind Atlanta Ba…

トンデモ映画について思うこと

私たちの知識は限られています。 時間を隔てた時代、距離的を隔てた場所に関してはいい加減な知識しか持っていません。 にもかかわらず、物語に没入するには私たちの日常的実感にそぐう形で未知の事柄を捉えようとするので、 その過程で私たちは他者をゆがめ…

『レッド・サン』

『レッド・サン』という映画があります。 三船敏郎主演で、サムライがカウボーイと一緒に旅をする、という、 「なんだ、そのトンデモ映画は!?」と思われる人も多いでしょう。 実のところ、私もずっとそう思っていまして、今まで見ていなかったのですが、 …

私の部屋の中では『グロリア』つながり映画祭 第二回

ジョン・カサヴェテス監督作品『グロリア』に影響を受けた作品はたくさんありますし、 シャロン・ストーン主演でリメイクもされたそうで、 Gloria Trailer (Castellano) Con Sharon Stone. - YouTube これが絶不評。 制作費の1/7しか興行収入で回収できなか…

私の部屋の中では『グロリア』つながり映画祭

先日、以前からずっと気になっていた映画『グロリア』を見ました。 「今まで見てなかったのか?君は!」というレベルの名作であり、この映画のリメイク、オマージュをささげた作品はたくさんあります。そして、『グロリア』以前にも似たような物語の映画って…

ひとりパーティー  『ハロウィーン』『ダーク・フェアリー』

10月31日ハロウィーンの日、一人でハロウィーンパーティーをやってみる。 100均でハロウィーンのグッズを買ってきて、それで一人で仮装し、ガムやジャンクフードを食べながら、窓を開け放ってハロウィーンにちなんだ怖い映画を一人で見ようという予定。 窓の…

ソシュールっぽい話 『エイリアン』

当時は「半ケツ」とか「ローライズ」とかそういう言い方がなかったので、 お尻の割れ目が半分くらい見えるほどにずり下がったパンティーのライン、みたいな言い方で表現するのがものすごく煩わしくて、 半ケツ、という簡便な言い方が出来たおかげで、楽に言…

一人ぼっち映画祭

しばらく前に、家の一画を自分専用マイクロ映画館にしてみたんですが、 飽きてしまいました。 で、飽きる前にどのような映画を見たのかといいますと、 カラスの飼育 HDニューマスター [DVD] 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2009/11/28 メディア: DVD…

岡田和人『いびつ』   密室どん詰まり恋愛系

キンドルで期間限定無料お試しマンガというのがあります。 知名度の低いマンガや、知名度はあるけど長編すぎるとか、有名だけど古典化して あまり読まれることのないマンガの一巻目とか二巻目を一か月程度の期間ただで公開しているサービスなのですが、 わた…

『リトル・フォレスト』 わたしゃいいけど、あんたはどうよ?

当ブログの執筆者である私は、料理を作ることが好きで、さらには地産池消には少々こだわりがあり、できることなら庭先から引っこ抜いてきた食材ばかり食べていたい者ですから、 それそのまんま映画の中で実行している『リトル・フォレスト』は、興味深く見る…

自分専用マイクロ映画館

ガレージを掃除して、30年前のスピーカーとアンプ、貰い物のプロジェクター、アマゾンで1万円で購入した100インチスクリーンで、自分専用のマイクロシアターが出来た。 シャッターを閉めて、窓をフェルト地の布で覆うと、昼でも真っ暗。ちなみに壁はコンクリ…

黒澤作品のワーストについて考える  第九回 『素晴らしき日曜日』 

『みんなのシネマ』のレビューから察するに、黒澤明ワースト作品の有力候補です。 わたしは、多くの人がこの映画をワースト有力候補にしてしまうのかについての理由がわかる気がします、が、わたし的にはこれ、ワーストではないです、はい。 ワーストという…

黒澤作品のワーストについて考える  第八回  『どん底』

『どん底』というタイトルで、黒澤のワースト作品だったら面白んでしょうけれど、 この映画、話が暗くて敬遠される点を除くと、黒澤でも良作の部類で映画です。 この作品の二年前に、音楽監督の早坂文雄が死去し、蜘蛛の巣城から赤ひげまで佐藤勝が音楽を担…

黒澤作品のワーストについて考える  第七回 『みんなのシネマレビュー』より

『みんなのシネマレビュー』での黒澤作品の評価ですが、まあこんなもんかなという感じです。 『赤ひげ』が『用心棒』より上ってのがなんか嫌なんですが、私が適当に選んだ『人々の話題になりにくい黒沢作品』と比べると、晩年の作品、とくに『八月の狂詩曲』…

黒澤作品のワーストについて考える  第六回  『生きものの記録』

この映画暗い話ですが、相当に面白い。単に私が最近まで見ていなかっただけ、映画ファンの話題になることの多い黒沢作品なのかもしれません。 というか、黒沢作品群の中では中位の人気作のようです。ワーストを争うような作品では決してありません。 この映…

黒澤作品のワーストについて考える  第五回  『静かなる決闘』

結局のところ、映画ってヤラセなわけで、 ビートたけしが映画の中で死んだからって、彼自身が死ぬわけではありません。 それにビートたけしが映画に出てくると、「あっ、ビートたけしだ」とすぐにわかるわけで、 これは、演技力がどうたらこうたら以前に、ま…

黒澤作品のワーストについて考える  第四回  『醜聞スキャンダル』

カタカナ題名が違和感な『醜聞スキャンダル』ですが、 黒澤明といえば三船敏郎、三船敏郎といえば黒澤明というくらい切っても切り離せない二人ですが、 三船はサムライ役ばかりやっていたイメージがありますけど、彼のデビュー当時は時代劇が軍国主義的であ…

黒澤作品のワーストについて考える  第三回 プロパガンダ作品 『わが青春に悔いなし』

以下は私が選んだ あまり話題にされることのない黒澤作品群ですが、 1944年 一番美しく 1945年 続姿三四郎・虎の尾を踏む男達 1946年 我が青春に悔いなし 1947年 素晴らしき日曜日 1949年 静かなる決闘・野良犬 1950年 醜聞 1951年 白痴 1955年 生きものの記…

黒澤作品のワーストについて考える  第二回 プロパガンダ作品 『一番美しく』

ソ連・ナチの映画って、大衆の洗脳のために使われたんですが、 それ以外の国はどうだったか、それ以降の時代ではどうだったか、というと、 実のところ、映画が洗脳的であるというのは当たり前のことであり、 それゆえに、映画の評価が、政治的に右であるか左…

黒澤作品のワーストについて考える  第一回 

監督だれそれのワースト作品を選ぶこと。正直それほど簡単なことではありません。 普通の監督作品でしたら、真にワーストな作品の場合DVD化されない場合もありますし、第一、そんなワースト作品を無理して見たい人もなかなかいないです。 んなわけで、ネ…

『インドへの道』

映画とは、サブリミナル的な情報を多く扱うことで、 観客の心理を特定の方向に向かわせるものです。 私にとって最も興味深いのは、画面の左右の方向なのですが、 それ以外にいろいろなことをやっているのが映画でして、 『乱れる』 橋、畳のへり、敷居、線路…

視線誘導について

かとうひろしのHP こちらから、一枚キャプチャーさせていただきました。 マンガの書き方に関する説明をされているんですが、 本当に、普通の人ってこんな風に視線誘導されているんでしょうか? これだと、吹き出しの台詞と人の顔しか見てないですよね。 映画…

『ゴッドファーザー』 の画面が示すゴールについて

『ゴッドファーザー』って、実のところ、相当分かりにくい映画だと私は思っています。 冒頭の結婚式のシーンで、主要俳優の顔一通り思えるまでに、何回見ないといけなかってんでしょう。 ソニーの嫁とかトムの嫁の顔覚えるまで、何回かかったでしょうか? 初…

『ゴッドファーザー』 実は相当にわかりにくい映画

ネットで拾った『ゴッドファーザー』の脚本。 おそらく、この脚本で撮影に臨んだはず。 http://www.awesomefilm.com/script/THEGODFATHER.txt 撮影は4週間 それに対して編集は5か月そして、出来上がった映画の台詞は、こちら。The Godfather Part I Transcri…

シド・フィールドの脚本術 

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術 作者: シド・フィールド,安藤紘平,加藤正人 出版社/メーカー: フィルムアート社 発売日: 2009/03/31 メディア: 単行本 購入: 55人 クリック: 290回 この商品を含むブログ (44件) …

『あまちゃん』好きへの参考作品群

以下の作品群は、わたしとしては中級以下の『あまちゃん』好きに推薦するつもりもありませんが、 見ると、『あまちゃん』に対して思うところがポツリポツリとあるという作品です。 1 『タンポポ』 宮本信子の主演作品。 「妻はいい女優なのになかなか主役の…

『あまちゃん』好きなら見ておくべきだったはずの作品群

この半年近くで、自分が見た作品群の中から、これらは『あまちゃん』が終わった後にできた心の穴を埋めるには有効だったと言えるものをピックアップすると、このようになります。